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(500)日のサマー

≪監督≫マーク・ウェブ
≪出演≫ジョセフ・ゴードン=レヴィット
    ズーイー・デシャネル

主人公トムは内向的な青年。
目先の恋よりも音楽や映画や自分の部屋のことに興味があり、 いつか「運命の女性」があらわれると信じている。 そんなトムが職場で知り合った女性に一目ぼれ。 彼女サマーは「真実の愛を信じない」女性。 最初はトムにもつれない態度をとるが、 偶然一緒になったエレベーターでの会話をきっかけに親しい関係になっていく。


そのきっかけは…お互いがバンド「The Smith」が好きなこと!
これでトムは運命を感じる。安い男であるw 文科系男子には趣味が合うってたまらないですよね。 草食だかカピバラだか、勝手にカテゴライズされてしまう昨今、 色んな面でトムに共感するような男性は多いでしょう。 iTunesの選曲に必死になっていたり、 カラオケで空気読まずにPixies「Here Comes Your Man」を熱唱した時は、 完全に“こいつ俺だ”って思った。


俺と違うところは、トムには夢や才能があること。 これはトムが空想から抜け出して現実を追いかける物語。 トムがサマーと出会ってから500日間のお話。


“This is not love story. This is story about love.”

モノローグが流れた後、話はいきなり488日目から始まる。 結婚指輪をつけた2人が手を取りあっている。なんだか幸せそうだ。 その後も時間軸は前後。1日目→259日目→109日目みたいな感じで、 時系列順じゃなく順不同にシーンが展開される。 各シーンの頭に“Day(○○)”と出てくるからいつの出来事かすぐ解る。 観ていて、これは飽きない脚本だなあと。 ちょうど半分くらいの259日辺りに2人が大きな喧嘩、鬱展開になるんだけど その後にも初期、仲良くなりはじめの幸せシーンが挿入されたりする。 Bad Endや悲しい話に耐えられない俺なんかは、 順番どおりやられたら途中で中だるみ、つまらなく感じたかもしれない。 IKEAデートやHall and Oatsをバックに踊るシーンの幸せ度は異常! 恋愛の楽しい記憶は魂を救う。


後になって思ったけど、この話って全部トム側の視点なんだよね。 サマーの心情とかは出てこなくて、トムが何を見て感じたかを描いている。 だから時系列がバラバラなのもトムの感情や希望みたいなものかなあと。 人って恋愛してて上手く行ってない時でも良かった時を思い出して、 あの時みたいになれるようにがんばろう!って思ったりするもんね。 恋愛感情は時間どおり流れているとは限らない。


そんなこんな、トムに感情移入しまくって観てた。 トムにとってサマーは運命的な、理想の女性である。 でもサマーにとってトムは? サマーは客観的に見てどんな女性? トムってナヨナヨしたダサ男じゃないの? その辺の感じ方が人によって違うから、この映画は面白いんだと思う。 面白くないって人がいても当然だと思う。 でも製作者は間違いなくひとつのリアル(な心情)をもって2人を描いている。 俺は見事に魅せられました。

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